私のご主人様Ⅳ

電気ショクが運ばれてくる。迷いなく、無駄なく動く医者と看護師。そこにもう1人の医者が入っていく。

琴音の体が跳ねる。それでも心臓マッサージが繰り返される。

「レントゲン室空きました!」

「…あぁ」

…おかしい。さっきまでの焦りも静まっていく。

琴音に心臓マッサージを施す医者の息遣いが聞こえる。それほどまでに静まり返っていた。

「…なぁ、助かるよな?」

「…」

「…っおい!!」

始めに声を上げた医者の胸ぐらをつかむ。それでも、そいつはあくまでも冷静だった。
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