私のご主人様Ⅳ
「…琴音」
離れていく。俺の目の前から。
「…なぁ、琴音。起きろよ」
繋いでいたはずの手が。
琴音が、遠くなる…。
「ッ琴音!!!」
「ッボフ…ッカハ……」
「ッ!?」
一瞬動けなくなる。
琴音が血を吐いた。……………息を、吹き返した。
「ッ気道確保!レントゲン撮ったらすぐに執刀する!」
「っはい!!」
再び一斉に動き出した医者と看護師。何人かが琴音を取り囲み、戻った息を、心臓を守るように最低限の処置を済ませていく。