私のご主人様Ⅳ
25.覚悟
後悔あと知れず
『季龍さん』
呼ばれてる。
聞いていたい声。聞きたかった声だ。
姿が見えたとき、その姿は光の中に溶けていった…。
溢れる光に目を細める。その光になれてくると、人影が見えてきた。
「…りり、か……?」
「ッ!?お兄ちゃん!!」
「目覚めたか」
「若、いきなり倒れんなよ…」
声がかすれる。体が言うこと聞かねぇ。全身に鉛をつけられたような感じだ。
何とか手を動かして、泣き始めた梨々香の頭を撫でる。
なんで、俺は病院なんかにいる?
考え始めた時、頭の中で一気に記憶が弾けた。