私のご主人様Ⅳ

「…これも、運命のいたずらかの」

「え?」

「いや、何でもないよ」

源之助さんにまで笑ってごまかされた。

もやもやは残ったけれど、別の話に変わってしまい、それ以上のことを聞くことはできなかった。

その後ケーキもきれいになくなって、台所に移動し、1人で黙々と片付けていく。

それにしても、お酒が入った平沢さんと青海さんに絡まれるのは大変そうだ。暁くんに無言で引っ張り出されたのはびっくりしたけど、酒癖が信洋さんに次いで酷い…。

いつもは缶ビール1本で終わらせてるけど、今日は日本酒からワインまで入ってベロベロになってる。

これからお祝いだからって出すのはやめようと誓ってストックのお酒を隠してみた。

「琴音、平沢さんに怒られるぞ」

「ッム」

振り返れば呆れた顔の暁くん。隠し場所を見られるとは不覚!でも、共犯者ゲットしました。

そのままパタンと扉を閉めてもなにも言わないと言うことはそのままでいいそうです。
< 22 / 289 >

この作品をシェア

pagetop