私のご主人様Ⅳ

「ッ…ゲホッゲホ」

「お兄ちゃん!?ダメだよまだ寝てなきゃ」

「ッハァ…ッハァ……こ、とね…っは!?」

「…」

無理矢理起き上がる。そうだ、琴音は。あれからどうなった!?

俺はどれだけ寝てたんだ?

梨々香の表情が歪む。その顔に嫌な考えが過る。信洋に視線を向ける。その表情に余裕なんかなかった。

「まだ手術終わってない。…何回も心臓止まりかけてるらしい」

「…何時間、経った?」

「6時間…」

時計を見上げると日付が変わりかけていた。

夢を見ていた。声が聞こえた。…あれは、琴音だ。

やめろ。考えるな。

嫌な方向に考えるのを、やめろ…。
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