私のご主人様Ⅳ

手術の末、何とか一命はとりとめたが、未だに予断は許さない。

いつ、どうなるか分からない状況は変わっていない。

手術後に琴音の面会も叶わないまま、俺の退院が決定した。

「…少しずつではありますが回復傾向にはあります。ですが、現状維持のままといった方が正しいでしょう」

「…そうか」

「…会われますか?」

「は?」

思わず耳を疑った。

面会、出来るのか…?ほとんど回復していないのならば、まだ会えないはずだ。

…顔を見れる程度にはなった、そういうことなのか?

「面会出来るのは5分です。3人までなら入れます。どうされますか?」

「…今しか出来ないのか?」

「1日5分です。それ以上は認められません」

「分かった。すぐに戻る」

一旦席を外す。

病室に戻れば片付けを終えた信洋と平沢が待っていた。
< 227 / 289 >

この作品をシェア

pagetop