私のご主人様Ⅳ
音を失った部屋で、動いたのは源之助だった。
机の上に出されたのは1枚の写真。その写真に何気なく視線を向けた季龍の目が殺意の色に染まるのを、源之助は見逃さなかった。
「現場の処理は終わった。関原隆治は死亡。中野蓮美は捕えた。処遇待ちだ。…どうする季龍」
「…どうして、…どうしてまだ生きてんだよ!!」
「ッ若!?」
今の今まで一言も発さなかった季龍が立ち上がり、源之助に掴みかかる。突然の出来事に信洋は間に入れず、傍にいた田部も止めることが出来なかった。
動揺する2人の付き人に対して、源之助の表情は変わらない。それは、季龍が決して自分を傷つけることはないと言う確信からか、それとも組の頭としての矜持か…。
怒りに我を忘れる季龍をただ見つめ返していた。
「あいつはッあいつが琴音を傷つけたんだぞ!?なのに、どうしてあいつを生かしてんだよ!!」
「…」
「どうにか言えよ!!」