私のご主人様Ⅳ

「…仮に、琴音が目覚めても、目覚めなかったとしても、俺はあいつを見離すことはしない」

「…どんなに重い障害を負っても、あなたが責任を持つと?」

「あぁ。あいつが一生寝たきりだとしても、俺が責任を取る」

俺の命は琴音に救われた。

俺を守って負ったものなら、俺が背負うべきもの。

…いや、違う。琴音の全ては俺のものだ。それが例え、利益なものだろうが、不利益なものだろうが関係ない。

名蔵を睨みつけると、フッと笑みを向けられる。その笑みが胸糞わりぃ。

「それほどの覚悟があるなら、任せられますかね」

「あ?」

「…永塚さん。彼女の容体は決して楽観は出来ない。今、この瞬間に命を落とす危険は彼女に纏わりついています。覚悟はしておいてください」

「琴音は死なねぇっつたろ」

「…そう、でしたね」

俺の変わらない言葉に、名蔵は苦笑してそれを認める。

咳払いをして空気を引き締めた名蔵は真剣な目を向ける。その表情に自然と背筋が伸びる。
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