私のご主人様Ⅳ

「お前な…」

「あぅ…」

暁くんと台所の床に転がってしまいました。

もちろん睨まれながらも、暁くんは私が怪我をしないように庇ってくれました。そういうところは優しい暁くん。

でも、捕まえることに成功。とりあえず逃げないようにしがみつきました。

「ッバカ!!な、何やってんだ!?離れろ!!」

「やー」

「やーじゃねぇ!」

「なーに騒いで…琴音、お父さんは悲しいなぁ」

「平沢さん!こいつ離してくださいッ!!」

ほろ酔いの平沢さんは泣き真似なんかしてる。暁くんが耳元で怒鳴るから頭に響いて嫌だけど、離してたまるか!

「琴音、お父さんの腕の中に戻ってこーい」

「元々琴音は平沢さんの腕ん中にいませんよ!!琴音お前も離れろ!!」

何故だか飴をちらつかせる平沢さんに、暁くんは怒鳴ってるけど、酔っぱらってる平沢さんにはなんにも通用しない。
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