私のご主人様Ⅳ

その確証はここちゃんが受けた体の傷が物語ってる。恐らく俺たちが来たのが分かったときに何らかの薬を投与されてる。

でも、ここちゃんが虐げられていたのは、病院の精密検査ではっきりしている。それも、奴だけではなく、複数の奴等に…。

「人集めもだが、1番分かんねぇのは薬の入手経路だ。琴音をぶっ壊した薬は金を積んだとしてもそうそう簡単に手に入るもんじゃねぇ」

平沢さんの言うことは確かにそうだ。

恐らく、俺たちが駆けつけた時に見たあのここちゃんは薬にやられたせいだろう。そしてその薬は俺たちが来たと敵にバレたとき。

あの短時間でここちゃんを壊した薬は俺たちでもそう簡単に手にできない。

だからこそ、ちらつくのはまだ見えない敵。

「まだ終わってねぇ。背後にいた奴らを引きずり出すぞ」

「もちろん、逃がしませんよ。ここちゃんを傷つけた奴らを地獄に落とさないと、ね?」

自分の顔に笑みが浮かぶのが分かる。
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