私のご主人様Ⅳ

絶対に許さない。

永塚を変えてくれたここちゃんを、若に安らぎを与えてくれたここちゃんを傷つける奴がいると言うのならば、絶対に許せない。

地の果てまで追いつめて、思い知らせてやる。永塚を敵に回すことがどういうことなのか、思い知らせてやる。

まだ見えない敵。でも、今のうちに余生を楽しむといい。絶対に、逃しはしない。

「戻るぞ。お前、若とお嬢を病院にほったらかしてきただろう」

「あ、そうだった。迎えに行ってきます」

もうそろそろ戻らなければ面会時間を過ぎる。

若が怒るさまが目に浮かんで急いで置いてきた車まで走った。
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