私のご主人様Ⅳ

「琴音を狙ってる奴らの調査、俺に任せてくれないか」

「構わん。…ただし、情報は常に儂と季龍に共有すること。それが条件だ」

「構わねぇよ。…ただ、坊主。お前は琴音の看病を最優先にしろ」

「ッ平沢、俺も一緒に」

「ダメだ」

一言で返された言葉に拳を握る。平沢は更に俺を除け者にしようってのかよ…。

仮にも俺は永塚組の若頭だ。本来なら、俺が率先して動くべきだ。若頭としても、琴音の主人としても…。

「…勘違いするなよ。琴音には、お前が必要だって言ってんだ」

「琴音に、俺が?」

「いいのか?これから琴音の風呂も、食事も、下の世話だって全部やってやらなきゃいけねぇんだぞ。お嬢1人じゃ無理なものが多すぎる。…他の男に琴音を触れさせていいのかよ」

肩が跳ねたのを自覚した。

確かに平沢の言う通りだ。これから琴音の全ての世話をしなくてはいけない。暁と奏多がやる気になっているものの、風呂や下の世話をすると言うことは、琴音の体を見るということ。
< 285 / 289 >

この作品をシェア

pagetop