私のご主人様Ⅳ
想像するまでもない。誰にも見せたくない。
あいつは、俺のだ。例え看病だとしても、その体が他の男の目に映るのは我慢できそうにない。
「それに、普段の仕事もあんだろ。気になるんなら、俺の分をやる。だから、黒幕の件は任せろ。ぜってぇ逃がしはしない」
平沢の強い目に、それ以上反抗する気にはなれなかった。
適材適所。それに当てはめるように平沢は自らが1番危険な仕事に名乗り出た。
それほど平沢も怒っている。琴音を傷つけた奴を、これからさらに苦しめようとする奴を許してはおけないのは俺も同じだ。
「分かった。あんたに任せる」
「それでいい。お前は琴音のことで頭いっぱいにしてればいいんだよ」
「はぁ?」
そこはからかわれている気がする。睨みつけても返って来ない視線に、遊ばれているのだと自覚した。