私のご主人様Ⅳ

「今日はここまででいい。平沢、信洋、森末、よくやった。しっかり休め」

親父の言葉でお開きになる。

思い思いに立ち上がり、部屋を後にする。その足で向かった琴音の部屋には頼んでもいないのに奏多と暁がいて、思わず苦笑いが浮かぶ。

「若、話は終わったんですか」

「あぁ。琴音は」

「心配ないそうです。ただ、急に変わることもあるだろうから目を離さないようにと」

「分かった。今日は俺がつく。お前らは休め」

「でも…。分かりました」

反論しかけた奏多だが、考えを改めたようだった。

暁と奏多が部屋を出ると、心電図の音がやけに大きく聞こえる。

そっと頬に手を滑らせると、ひんやりとした感覚が指に伝わってくる。
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