私のご主人様Ⅳ
「琴音」
頬を撫で、琴音の横に寝転がる。至近距離から見える顔。赤くなった琴音の顔が浮かんで、フッと笑みがこぼれた。
「おかえり。…もう、寂しくないだろ」
病院で1人夜を明かすことはもうない。ずっと俺たちがいる。傍に、必ずいる。
琴音の頭を撫でていると、照れながらも微笑んだ顔が浮かぶ。
『季龍さん』
琴音の声が聴こえる。
琴音の傍は荒波を立てた心を静め、安らぎをくれる
もう1度、その声を、笑顔を、向けてほしい。
どうか、1日も早く目覚めてくれ…。
季龍side end