私のご主人様Ⅳ

何も言えなくなって固まると、名前を呼ばれる。

顔を上げると、そこに季龍さんの姿が見えた気がして目を瞬かせた。

『「―――」』

「え…?」

頭が真っ白になる。

今、季龍さん何て言ったの…?

『また明日。待ってろよ』

「っあ、あの………さっきの、何て……」

『…明日な』

「え?あ…」

プツンと電話が切れた音共に通話は切れてしまう。

耳からスマホを離すと、やっぱり画面は通話時間が表示されている。

何だったんだろう、最後…。

画面がホームに戻る。それを見つめていると、手を差し出される。

あ、返さなきゃ!源之助さんの手にスマホを渡すと笑われてしまった。
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