私のご主人様Ⅳ
「ここに、季龍の傍にいてやってくれるんだね」
「…季龍さんが、望む限り必ず。…そう、約束したんです」
微笑むと、そうかと源之助さんはどこかホッとしたような顔をする。
まさか、また試されていたのかな。
でも、どうしてだろう。源之助さんは、私を逃がそうとしていた。そんな風に感じてしまう。
ただの気のせい…かな?
「琴音!お前勝手に部屋出んな!!」
「!?」
「ことねぇ!どこ行っちゃったのかと思った」
バチンッ!と大きな音をたてて開け放たれた襖。怒りを全面に出している暁くんと、心配顔の梨々香ちゃんが入ってくると、同時に迫られて思わず後退りしてしまった。
さ、探されてたみたいです。
その後ろから顔を出した青海さんが、わざわざ呼びに行ってくれたみたいです。