私のご主人様Ⅳ

散々怒られてやっと解放された頃にはすっかり日が昇っていて、相当な時間怒られていたんだと思うと少しゾッとする。

お昼を準備しながら、耳が熱いことに気が付いて手で覆い隠すように触れる。

『琴音、迎えに行く。だから、待ってろ』

頬が熱くなっていくことに気付いて、熱を出すように息を吐くけど全然収まらない。

…まだ、耳の奥に声が残ってる。

1ヶ月離れていただけなのに。声を聞いただけなのに。

なんで、こんなに嬉しいんだろう。

って、いけないいけない!声を聞いただけでこんな風になっちゃうなんて、直接会ったら私どうなっちゃうの?

今からちょっと心配だよ…。

息を吐いて気持ちを落ち着かせる。

「っだから、違う!」

違う、違う、違う…。

お願いだから、止まって…。
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