私のご主人様Ⅳ
お庭に飛び降りて洗濯物に飛び付くように回収していく。
後から追い付いた暁くんもため息をつきながら手伝ってくれる。怒ったままだったけど…。
「…お前を縛ってんのは、なんだよ」
「…また、それ?」
「俺は、お前がうじうじしてんのが面倒なんだよ」
「ひどい…」
「あ?俺は、親切に教えてやってんだろうが」
暁くんはため息をついて空を見上げる。それにならって空を見上げると、チラチラと舞い落ちてくる白い結晶。
手を伸ばすと、手に触れた途端消えてしまう。
トクトクと音を奏でる思いは、まだ熱を持ったまま。
…熱なんか冷めてしまえ。この雪を受け止められるくらい、冷たく凍りついてしまえ。
そして、いつの日かきれいさっぱり消えてしまえばいいのに…。