私のご主人様Ⅳ
「でもお兄ちゃんだもんなぁ…。私は来る方に1票!」
「…うーん、来れないと思う…よ?」
梨々香ちゃんはきょとんとした顔をした後、ニヤリと笑う。その笑い方は何かをたくらむ様が目に見えていて、さながら悪役のようだ。
「ふふーんっことねぇ分かってないなぁ。こんな程度の雪でお兄ちゃんの恋心を止められると思って!?」
「!?」
ビシッと鼻先を指差され、思わず後退り。
って、恋心?
「り、梨々香ちゃん?絶対ここ、通行止め…」
「お兄ちゃんを止められるものなんかあるわけないじゃん!」
「いやいや、止められるよ!?」
梨々香ちゃんは季龍さんをなんだと思ってるんだろう。いくら季龍さんといえど、道路が封鎖されてたら入れないよ…。
それでも、絶対来るという梨々香ちゃんにやんわりと無理だと言っていると、また悪い笑みを浮かべた。
「お兄ちゃんが来たら、ことねぇ1日私のいうこと何でも聞いてね!いい?な・ん・で・も!だからね!!」
「う、うん…」
それくらいの約束ならしてもいいかな…。
絶対来れないはずだから…。