私のご主人様Ⅳ

お屋敷に向かって歩き出すと、迎えに来てくれたのか、青海さんと暁くんが降りてくる。

手を振れば、行き過ぎだと2人から注意されてしまった。

「戻るぞ。また降ってくる」

「はーい」

青海さんを先頭に歩き出そうとしたとき、何か聞こえたような気がして振り返る。

後ろにいた暁くんは当然、怪訝そうな顔をされる。

「どうした」

「…音が、したような気がして…」

「音?」

暁くんも振り返る。でも、雪に阻まれた道しか見えない。音も聞こえなくなってしまった。

空耳だったのかな。再び前を向こうとしたとき、青海さんが隣を駆け抜けていく。

「青海!?」

「どこ行くんすか!!」

「来た」

「え?…まさかっ!?」

雪で塞がった道を突き進んでいく青海さんは止まることを知らないかのように進んでいく。

青海さんが切り開いて行った道を梨々香ちゃんが追いかけ、その後に暁くんと続く。
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