私のご主人様Ⅳ
ひとしきり笑い終わると、雪の壁を越えてきた梨々香ちゃんと運転してきたらしい森末さんが合流する。
青海さんはと言うと、この雪の壁を壊して、かつ車を運んでくる役を勝手出てくれたみたい。
お昼、どんぶりいっぱいで足りるかな…?たくさん用意しておこうと決めて、今度こそ戻るために歩き始める。
「琴音」
「?」
差し出された手に首を傾げる。前を見れば季龍さんはじっと私を見つめている。
んー?
「ここちゃん、エスコートされてやって」
「?」
エスコート?こんな雪道で?いや、雪道だから…?そもそも、エスコートするのは私だっ!
そんなことを思っていると、舌打ちされて無理矢理手を掴まれて引っ張られる。
季龍さんの手は大きくて、私の手を覆い隠してしまうくらいだ。離さないと言うように強く掴まれた手は離れることなく、私を引っ張っていく。