私のご主人様Ⅳ
「よくやった、季龍」
「…あぁ」
「琴葉ちゃん、すまんがしばらく外してくれるかい?」
「はい。田部さん、後でお茶を、運んでいただいても…いいですか?」
「一緒に行きますよ。…行けたらですが」
苦笑いを浮かべた田部さんに首をかしげる。
とにかく、部屋を出なきゃ。話せることも話せないよね。
立ち上がろうと膝に手をついた時、横から伸びた手にその手を掴まれる。
「え?うわ!?」
体重をかけていた軸がいきなり外されて、一気に体制を崩す。持ち直すことも出来ないまま、倒れ込んだところを受け止められる。
「季龍さん!」
「あ?」
そんなことをするのは季龍さんだけで、思わず抗議の声を上げたけど睨み返される。
でも、私は悪くないと思う…。流石に立ち上がろうとしているところを邪魔されるんだもん…。