私のご主人様Ⅳ
「心配するな。襲わねぇよ」
「ビクッ」
「妹にこれだけお膳立てされちゃ、やる気も削がれんだろ」
そ、そういうものなんだ。
ホッと息を吐く。だけど、それを裏切るように布団に押し倒される。
起き上がる前に押さえつけられ、今度こそ逃げ出せなくなってしまった。
「き…りゅ、さん?」
「大人しくしてろ」
「…」
近づいてくる季龍さんに、嫌な汗が吹き出してくるのを感じる。
「琴音」
視界が歪む。季龍さんの、顔が滲んでいく。