私のご主人様Ⅳ

季龍side

1ヶ月ぶりに顔を会わせた琴音は、別れたあの時とは比べ物にならないほど回復していて、この1ヶ月拭い去れなかった不安を意図も簡単に消し去った。

おまけにほとんど違和感なく話す琴音は、まるで歌っているように澄んだ声を惜しげもなく振りまく。

元気になった姿も、その声も、傍に置いておきたいのに、琴音は以前にも増して俺の腕から逃げ出しやがる。

親父に報告を終え、ようやく独占できると部屋に連れ込んだものの、梨々香のいたずらか、あからさまなその部屋にそんな気も失せる。

「き、りゅ…さん?」

「大人しくしてろ」

だが、気づいたときには琴音を押し倒していた。

何も分かっていないような顔をする琴音に笑みがこぼれる。

「琴音」

距離を詰めたとき、琴音の目の色が変わる。その異変に、体が止まる。

「はぁ、はぁ…っは……」

「琴音?琴音どうした」
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