私のご主人様Ⅳ
「季龍さん?」
「…寝る。ここにいろ」
「コク」
カーテンは開けたまま、布団の上に戻っても琴音は怖がることはない。
寝転がっても怖がらない…が、ズルズルと移動して離れていく。
「逃げんな」
「あう」
引っ張り戻れば、今度は顔を赤くさせて腕の中に大人しく収まった。
頬を撫でれば目を閉じて、抵抗するどころか体を預けてくる。
逃げたかと思えば、捕まえれば大人しくなりやがって…。調子が狂う。
「籠の中の鳥でいいのか?」
「…や、です」
「なら、男の腕ん中で目閉じるんじゃねぇ」
「ふぁい…」
とか言いながら目を閉じた琴音は、そのまま寝やがった。
「…無防備」
ほっとけねぇな。こいつは…。
腕の中に収め、目を閉じる。腕の中のぬくもりに安心しつつ、久しぶりに感じた心地よい眠気に身を任せた。
季龍side end