私のご主人様Ⅳ

全力疾走で向かったここちゃんの部屋。ここまでで声は聞こえて来なかった。

セーフか?まさかもうアウトなのか!?

襖に手をかけ、一気に開け放ったと同時に部屋に入る。

「若っここちゃんを襲ってない…」

「あ?」

「…」

自分でも言葉が消えていくのがわかる。

部屋のど真ん中に敷かれた布団。

その布団に身を寄せあって寝転がる若とここちゃん。

そして、極めつけは裸の若が眠ってるここちゃんを片手であやしている姿…。

「…わ、若のケダモノー!!!」

「あ゛!?」

「ここちゃんごめんなぁ!俺が、俺が寝てたばかりに…っぐお!?」

なんか腹にめり込んだ…。床に倒れ込みながら、何とか顔を上げると恐ろしいほど顔を怒りに染める若。

そんな若の腕の中には、寝ぼけ眼のここちゃんがしっかりと収まってる。
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