私のご主人様Ⅳ

とりあえず、私はそろそろ夕飯の支度を…。

恐る恐る季龍さんから離れようとすると、それに気づかれたのか肩を掴む手の力が増した。

「ッチ」

「っん!?」

「っうそ…」

あ、あれ?なんで季龍さんの顔がこんなに近くに…??

呆けている間に離れていった季龍さんは、顔を真っ赤にさせた梨々香ちゃんを睨むように見る。

「これでいいだろ。これ以上バカなこと言ってんじゃねぇ」

「…コクコクッ」

言葉が出ないのか、必死に頭を縦に振る梨々香ちゃん。

…あれ、わ、私今、季龍さんに……き、き、キス…された!?

自覚した途端、顔が一気に熱くなる。

う、嘘だ。こ、こここんな…見せつけるみたいに…。

あれ、頭がくらくらしてきた…。

「ことねぇ!?」

「っおい!!」
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