私のご主人様Ⅳ
「っや!ん…」
「喋るな。やりにくい」
「っあ………ん、んー!」
なんでまたキスするのー!
何とか離れてもらった頃には骨抜きにされていて、両手をつかなきゃ体も支えられなかった。
そんな私を笑う季龍さんは、余裕があって同じ歳だなんてやっぱり信じられなかった。
「…ずっと、こうしたかった」
「…季龍、さん?」
「最後に見たお前は、毒におかされた姿だったから、本当は俺が面倒を見るべきだったんだがな」
「っこれ以上、使用人として、の…恥は、かきたくない、です!」
ご主人様に看病されるなんて、あり得ない!というより、病気を移さないためにも隔離大前提だ。
季龍さんは目を丸くすると、困ったような顔をしてしまった。
「まだ、そんな枠に閉じ込もってんのか」
「?」
「お前はとっくに、俺たちの家族だ。…使用人なんかじゃねぇよ」
バキッと何かにヒビが入った音がした。
その音は、ガラスが割れるような音にも似ていて、ひび割れたそこから何かが溢れているようなリアルな気持ち悪さが付きまとってくる。