私のご主人様Ⅳ
「…お前は難しく考えすぎだ。もっと肩の力を抜け。俺たちは、お前の仕事に十分満足してる。自分達のために一生懸命な奴を大切にしたいと思うのはおかしいか?」
「…」
それは、誇りと言ってもいいのだろうか。それくらい、私はこの人たちの役に立てていると、胸を張ることのなのかな…?
顔をあげると、また唇を奪われる。
頭がぼんやりしてくる頃に離され、頭を撫でられた。
「腹減ってるか?」
「…フルフル」
「ならこのまま寝る」
抱き締められたまま布団に横になる。
季龍さんの腕の中で大人しくしていると、聞こえてきた心臓の音になぜか安心する。恐る恐る額を近づけると、頭を撫でられて胸に顔がついてしまった。
恥ずかしさはあったけれど、それ以上に安心して離れたくないなんて思ってしまった。
『こと』
…あぁ、そうか。成夜がしてくれるのと、同じなんだ…。
「………?」
「…なる……や」
ぬくもりに包まれながらついた眠りは心地よくて、まるでお母さんに抱っこされて眠っている赤ちゃんのような気持ちになった。