私のご主人様Ⅳ
「休憩するみたいですね」
不意にそんな声が響いたとき、梨々香ちゃんと思わず顔をあげる。
追いかけていた源之助さんたちが乗る車がパーキングエリアに入っていく。それを追いかけ、ようやく休憩所にたどり着いた。
「っんー!」
「体いたぁい…」
車の外に降りると、うんと体を伸ばす。バキバキ音がなりそう…。
軽くストレッチをするように体を捻っていると、首を押さえた暁くんも並ぶ。
「若機嫌なおんねぇな」
「なんでかなぁ。ことねぇ、なにか知ってる?」
「フルフル」
小さな声で交わすのは朝もしたやり取りだ。
さりげなく季龍さんの方を見ると、機嫌が悪いままのようで、顔つきが怖いままだった。
「昼食べるぞー」
「はーい」
信洋さんが合流すると、機嫌が直らない季龍さんを一目見てやっぱりかと漏らす。
…信洋さん、こうなるのが分かってたんだ。だから源之助さんたちの車に乗るって言ったんだ。…酷いです。