私のご主人様Ⅳ
嫉妬心
「ことねぇ?おーい」
「梨々香、いい」
なんか声がする…?
ふわっと誰かに抱き上げられたような感覚にはっとして目を開けた。
「ッチ」
「ことねぇ、おはよう」
舌打ちが聞こえたのは気のせい?
って、季龍さんに抱っこされてる!?軽く体を押して離れようとすると、降ろされてほっと息をはく。
また寝てたんだ私…。車の外を見ると、1ヶ月ぶりの門構えに目を疑う。
い、いつの間に戻ってきてたんだろう。そして、私はどれだけ寝てたんだろう…。
熟睡していたことに驚きながら自分の足で車から降りる。1ヶ月前と変わらない門構えに、なぜかホッとして先を歩く梨々香ちゃんと暁くんに続く。
「おかえりなさい」
「おぉ!お嬢ー!!」
梨々香ちゃんが玄関に入った瞬間、かかった声に思わず足を止める。
そこには、顔や腕にかすり傷や痣を作った男たちがいて、厳ついその顔を緩ませていた。