私のご主人様Ⅳ
「うるせぇぞ。お前ら」
「若と信洋、森末だけずりぃぞ」
「そうだそうだ!」
「琴音ちゃんの手料理食えると思ったらなぁ、くぅ~っ」
季龍さんが注意してもなんのその。
大騒ぎの組員さんたちは静まる気配なんかなくて、賑やかなその様子にまた笑ってしまった。
「ただいまさーんっと…。あ、ここちゃん、ただいまって言った?」
続いて入ってきた信洋さんは、大騒ぎの組員さんたちを見て笑って、私に視線を戻してくる。
そういえばまだちゃんと言ってなかったや。でも、私がただいまって言うの、なんかおかしいような…。
「琴音、言ってやれ」
季龍さんに促されて組員さんたちを見ると、目をキラキラさせていて、ちょっぴり眩しい。
「…た、ただいま、戻りました…?」
「おかえり!」
「なんだぁ、固っ苦しい」
「琴音ちゃん、これからもよろしくな」
いろんな声が返ってくる。その声は温かくて、聞いているだけで安心する。
まるで、本当の家族に出迎えられたみたいに。