私のご主人様Ⅳ
『琴葉さん、手間はかけるだろうが、わしの家族を頼んだよ』
『少なくともここにいる間はお前は俺たちの家族だ』
…違う。家族みたい、じゃなくて家族なんだ。
ここにいる人たちは血の繋がりなんか関係なくて、むしろそれ以上の絆がある。
今さらだけど、源之助さんと季龍さんの言っていたことがわかった気がする。
この人たちはみんな、私を家族として迎えてくれてる。それが今ならはっきりわかる気がした。
「かーなたー?何やってんだよ。お待ちかねの琴音ちゃんだぞ?」
「俺はあとでゆっくり…」
「なんだ?照れくせぇのか?かわいい奴め」
飛び込んできた名前にはっとして視線を向けると、2、3人に囲まれた奏多さんの姿があった。
気づけば駆け寄っていて、背後からその体に抱きついた。