私のご主人様Ⅳ
「あぁ!?」
奏多さんだ。…奏多さんがいる。
それが嬉しくて、腕の力を強めて頬ずりすると、頭に手を置かれて顔を上げる。
「琴音ちゃんおかえり」
「…うん」
「何?そんなに俺に会いたかった?」
「コクコク」
「っぷは…かわいい妹だなぁ」
わしゃわしゃ頭を撫でてくれる手は変わらない。正面から抱き付き直すと、ぎゅっと抱き締めてくれた。
「奏多だけずりぃ…」
「琴音ちゃんの頭見てみろよ。耳はえてんぞ」
「それ言うならお前、しっぽブンブン振ってるだろ?」
こそこそと何やら話し声。後半の方、私は犬かねこにでも見えるんでしょうか。
でも、それをほっといてでも奏多さんから離れたくなくて、抱きついたままでいた。