【短編】切恋



「香夜?もう寝た?」




私が



「好き。」



と言わなくなったのを不思議に思ったのか心は顔を覗き込んできた。





私は、寝てなんかなかった。



だって、好きな人が側に居るのに眠れるわけないでしょ?




だけど、




私は寝た振りをした。




飲み会で聞いてしまったから…………。








「俺、今日早く帰らないと待ってんですよ。」








心の照れたような優しい顔。




私には向けられた事のない顔。




< 14 / 19 >

この作品をシェア

pagetop