【短編】切恋
「おい、香夜。帰るぞ?」
気付くと飲み会は、もうお開きになっていた。
私はというと、心におんぶされていた。
心地よい心の背中。
規則正しい鼓動が聞こえてくる。
この背中を離したくない…………
そう思った所でどうにもならない。
そんなの分かってる。
「心、奥さんに怒られちゃうよ?」
「ははは。そうかもな……って、おんぶしてるぐらいじゃ怒られねぇ~よ。」
この時、
心が奥さんに怒られて離婚しちゃえばいいのに………って思った。
私って、なんて醜いの?