蜜月なカノジョ(番外編追加)
ドンッ!!
「きゃっ??!!!」
「わっ!!!」
バサバサバサッ!!
「うわわっ! すっ、すみません! 大丈夫ですかっ?!」
「……え?」
一瞬何が起こったのか理解できず、慌てふためく声にふと顔をあげれば、何故かその声の主はかなり上の方から自分を見下ろしていた。
そこで初めて自分が尻もちをついていることに気付く。
「ほんとにすみませんっ! ちょっと仕事の確認をしながら歩いていたら、ついっ…」
ひたすら謝り続ける男性がスッと差し出した手にビクッと条件反射で体が竦む。
「っ、いえ、こちらこそぼーっとしていたせいですみません。大丈夫ですからっ…」
「あ…」
露骨にその手を避けるように自力で立ち上がると、男性は一瞬右手のやり場に困った顔をしたものの、すぐに穏やかな表情に戻ってそこら中に散らばった荷物を拾い始めた。
「あ、あのっ、自分でやりますから!」
「いえ、せめてこれくらいはお手伝いさせてください。本当にすみません」
「……」