蜜月なカノジョ(番外編追加)
あぁもうっ! こんなに動揺したら認めたも同然になっちゃうじゃない!
違う、私はヤキモチなんて妬いてないんだから!
ただちょっといつもと違うナオさんを目の当たりにしてびっくりしただけで、ヤキモチだなんて___
「っ?!」
次の瞬間私の体はナオさんの腕の中に包み込まれていた。
手にしていた袋がいつの間にかまた地面に落下していて。
状況の変化についていけない私の肩に顔を埋めながらナオさんがハァッと息を吐き出した。
…呆れてる…よね…。
ううん、呆れるを通り越して怒って…
「やべー、超嬉しい」
「…………え?」
「やべーやべーやべーやべー、杏に妬いてもらえるなんてもう死んでもいいくらいに嬉しいかも。…あ、ダメだ。まだまだ幸せなことが待ってるんだから今死んだら困る」
「…あ、あのっ、ナオさんっ? きゃっ?!」
突然チュッと頬で鳴った音にびっくりして目を丸くする。音の犯人は至近距離でフニャフニャという言葉がぴったりの緩んだ顔で笑っている。
「うん。いきなり目の前で男の俺が仕事してたら驚くしショックだよな。決して隠そうとかそんなつもりじゃなかったんだけど…ごめんな? 結果的に杏を傷つけて」
「そ、んなことっ…」
ナオさんは何も悪くなんかない。
ただ私が勝手に頭の中でグチャグチャ考えてしまっただけで…