蜜月なカノジョ(番外編追加)
告白
もうすぐ師走を迎えるこの季節、日が暮れるのは本当に早い。
ナオさんを見かけたときにはまだ明るさが残っていたのに、いつの間にか辺りはすっかり夜へと変わっていた。
そうこうしているうちに連れて来られたのは、おそらくバーと思しき場所。
『Diamante』と書かれたお店に身に覚えなど…当然ない。
そもそも私はアルコールが提供される場所は極力さけるようにしているのだ。
これでも成人して間もない頃は仕事の付き合いで飲みに行くことだってあった。けれど酒の入った男の人に酷いセクハラを数回受けてからというもの、こういう場所も自分の生活からは切り離されてしまう存在となってしまった。
「あの…ナオさん、一体何があるんですか…?」
「んー? まぁ行けばわかるから。さ、中に入って」
「……」
ここに来るまでの間幾度となく同じ質問を投げかけてきたけれど、のらりくらりとかわされるばかりで結局何も教えてはもらえなかった。
一体何がどうなってこんなことになっているのか。
考えてみたところで全く検討もつかない。
エスコートされるままに扉を開けると、まだ開店前なのか店内には誰もいなかった。