蜜月なカノジョ(番外編追加)
「んっ…!」
グッと後頭部を引き寄せられたのと同時にキスが深くなる。
何度経験してもこの瞬間には慣れずにビクビク反応してしまう。
あぁ、でももう何も考えられない…
「……はっ…」
そっと唇が離れていくのにあわせて私の体も完全にナオさんに寄り掛かってしまった。キスをした後はどうやっても力が入らなくて、ナオさんの支えなしでは立っていることすらままならない。
というかここはまだ玄関なのに一体何をやってるんだろう。
「……杏」
「…はい」
両肩を掴んで目線を合わせたナオさんはとてもとても真剣な顔をしていて。
でも唇がうっすら濡れているのに気付いて赤面しそうになるのを必死で耐えた。
「さっきはあんな空気になってちゃんと言えなかったけど……俺の彼女になってくれる?」
「…えっ?」
一体何を?
というかそれはさっき私が言ったセリフであって…
「杏からの告白、心臓が止まりそうなほどに嬉しかった。もちろん俺の答えはイエス以外にありえない。でも俺からもちゃんと言わせて欲しいんだ。本当は俺の方が頭を下げてお願いしたいくらいなんだから」
「ナオさん…」
「丸山杏さん、僕と正式にお付き合いしていただけますか」