蜜月なカノジョ(番外編追加)

「誰が満足させられないって? 俺の正体を知っても尚、こんなことを受け入れてもらえてるだけでも幸せでたまらないのに?」
「…はぁっ…」
「またそんな色っぽい顔して…」
「そ、んなこと、ありませんっ…!」

色っぽいのはむしろあなたの方じゃないですか!

「杏は自分の魅力を全然わかってない。もう一生女なんていらないと思ってたこの俺をここまで変えたんだ。こんな、片想いの時から骨抜きにされてるくらいに」
「ほ、骨抜きって…」
「だからいつだって気が気じゃなかった。いつかあっという間に他の男にかっ攫っていかれるんじゃないかって。そんなことになるくらいならナオとしてずっと傍にいる方がよっぽどましだって」
「そ、そんなこと、あるわけ…きゃっ?!」

突然フワリと体が宙に浮いた。
当然ながらそうさせているのはナオさんで。

私は靴を履いたまま抱き上げられて、そのままズンズン部屋の中へと連行されていく。

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