蜜月なカノジョ(番外編追加)

その言葉を口にした瞬間、顔の両側にある手がピクッと動いた。
そうしてナオさんの頬にうっすらと朱が差す。

…自分で言わせたのに赤くなるんだ。
それがなんだかおかしくてまじまじと観察してしまった。

「…杏はおそろしい子だね…」
「…えっ?!」

お、おそろしい?! なんでっ!!!

思いも寄らぬ一言にガガーンとショックを受けていると、ナオさんが右手で口を押さえてもごもごと何かに耐えていた。
相変わらず頬は赤いままだ。

「…だってさ、男性恐怖症は相変わらずなのに、俺のことだけは受け入れてくれて。しかもこうして至近距離で『大好き』なんて言ってくれる。…なんていうか…もう、最強っつーか…。…俺、杏に翻弄されっぱなしの未来しか想像できないんだけど」
「えぇっ?!」

いやいやいや! それはこっちのセリフですからっ!!


「俺も杏のことが大好きだよ」


___っ、ほらほらほら、言わんこっちゃない!

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