蜜月なカノジョ(番外編追加)

そう言いながら少しずつ近づいてくるナオさんを見つめながら…やがて私はゆっくりと目を閉じた。ほとんど同じタイミングで重なった唇に、もう怖いという感情はなかった。

…ううん、初めてキスをされたあの日から、一度だって恐怖を感じたことはない。
だって…ナオさんだから。

「んっ…!」

ナオさんの重みで私の体も背中からソファーに沈み込む。背中を支えてくれるクッションの柔らかさと、それに負けないくらい柔らかいナオさんの唇。

怖いだなんてとんでもない。
ナオさんが与えてくれるのはいつだって快楽ばかりだ。

「あっ…?!」

うっとりと身を預けていると、突然耳の辺りを生温かな感触が走った。
一瞬何が起こったかわからなかったけれど、すぐにそれが離れていったナオさんの舌だということに気付く。

「な、ナオさっ…」
「杏、怖いときはいつでも言って。すぐにでもやめるから」
「ひゃっ…!」

耳元で水音が響いてゾクゾクと全身が粟立っていく。
耳朶を唇で食まれたかと思えばそれを追いかけるように舌がなぞっていく。


何これ…何これ……こんなのっ…!

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