蜜月なカノジョ(番外編追加)
恋するということ
「……あれ?」
パチッと開いた目が映すのはいつもと変わらない光景。モノトーンのインテリアでまとめられたとってもセンスのいいナオさんの寝室。
「え…あれ、いつの間に布団に入ったんだっけ…?」
のそっと体を起こしたものの、記憶が曖昧だ。
いつものようにベッドの半分はもぬけの殻で、既にナオさんが起きていることがわかる。一緒に暮らすようになってからというもの、何をどうやってもナオさんよりも早起きできたことはない。
というか昨日は…ナオさんが休日出勤だから一人で出掛けて、らしくない買い物をいくつもしちゃって…。
そしたらナオさんが謎の美女と一緒にいるのを見てショックを受けて…でもその人は実は女の人じゃなかったなんてまた別の意味で衝撃を受けて。
そうして___
「あわわわっ…! そう言えば…告白、したんだった…!」
ようやく冴えてきた頭と共に一気に甦ってくる記憶達。
ぶわーーーっと押し寄せるアンビリバボーなあんなことやそんなことの数々に、今起きたばかりのベッドに後頭部からひっくり返りそうになる。
「私達って…恋人同士…になったんだよね…?」
ぼわんと浮かび上がる直斗さんの艶っぽい顔。あんな至近距離で彼の顔を見たのは初めてだ。
あんなのこの世のものとは思えない。神様はどうしてこんなに不公平なのかと文句を言いたくなるくらい、与えられたものが違いすぎる。
そんな人が自分にキスをして、覆い被さってきて…
ぎゃーーーーーーーーっ!!! もう思い出すだけでも死ぬっ!!!