蜜月なカノジョ(番外編追加)
「おっはよ~。朝食の準備もうできてるわよ~」
「え? あ、はい」
「それと今日私はカフェには行けないから。もし遅くなる時にはタクシー使うのよ?」
「は、はい…」
…あれ? あれれ?
目の前にいるのは…ごくごくフツ~のナオさん。
いつも通りの完璧なスタイルで昨日の朝までの日常となーんにも変わらない。
…あれ? もしかしてあれって…全部夢だった、とか…?
「杏~」
「は、はいっ! ひゃあっ?!!」
顔を上げた途端、両頬を掴まれてブチューッと凄い勢いのキスが襲いかかってきた。しばらくしてトントンと唇を舌でノックされ、抵抗もできずに思わず口を開いてしまう。
そうなったらもうナオさんの手は緩まない。
あとはあれよあれよという間に激流に呑み込まれていくだけ。
…とはいえ今日はいつになく激しい!
ん、んぐっ! 息がっ…!
あまりの苦しさにギブギブとばかりに必死に背中を叩くと、ようやく解放してくれた。
「ぜぇっはぁっ…!」
し、じぬ…今日は本気で、死ぬっ…!