蜜月なカノジョ(番外編追加)
「もう~、杏ったらまーた昨日のことを夢にしようとしたでしょ? ダーメよ。言ったでしょ? 夢になんかさせてたまるかって」
「…へ、え?!」
ポカーンと口を開けたままの私にナオさんがニヤッと笑って見せる。
なんだかすごーく悪い顔だ。
「いーい? 昨日の出来事はぜーんぶ げ・ん・じ・つ だから! 私と杏は恋人同士になったの。いいわね?」
「…は、はい…」
そう力説する割に目の前にいるのはナオさんなわけで…
「それから今後のことだけど。恋人同士にはなったけど、私は『ナオ』をなくならせるつもりは今のところないから」
「…え?」
それってつまり…今後も生活スタイルは変えないってこと?
「正直いつやめても構わないのよ、私としてはね。元々女よけのためにやってた女装だし。でも結果的に杏という唯一無二の存在ができて、そして私のことを好きになってもらえて。これから一生かけて愛していくのならこのまま男に戻っても自分には一切影響はない。それは断言できる」
「……」
なんかすごいこと言われてる気がするけどひとまず置いておこう。