蜜月なカノジョ(番外編追加)
「…あっ!」
もしかして…あの時? 昨日チクッと痛みが走った、あの時…
「ふふ、その様子じゃ身に覚えはあるみたいね」
「ハッ…! あ、いえっ、違うんです! いえっ、違わないんですけど! でもそうじゃなくって、えぇーっと…」
「あははは、そんなにテンパらなくても大丈夫だから。だいたい想像はつくから大丈夫よ。そうよね、杏ちゃんがいきなり最後までやるわけがなかったわ。杏ちゃんがあんまりにも幸せそうだったから、つい」
「……」
ペロッと舌を出した葵さんが大袈裟に言っているようには思えない。
…そんなに今日の私は違って見えるんだろうか。
確かに私から見える世界は違って見えたけど、まさか周囲から自分がそう思われていたなんて…
「直斗と付き合うことになった?」
「えっ?!」
「あはは、杏ちゃんってほんとわかりやすいわよね。絶対隠し事できないタイプでしょ」
うぅ、図星です…
「直斗を受け入れる覚悟ができたんだね?」
「……覚悟ができたかと言われたら自信はないですけど…でも私はナオさんも直斗さんも好きだってことに気付きました。まだまだ知らないことの方が多いと思うんですけど…それもこれから知っていけたらいいなって」
私の言葉に葵さんがうんうん嬉しそうに頷いている。