蜜月なカノジョ(番外編追加)
だが、その考えすら根底から覆されることが起こってしまう。
関係を持った女とは互いに名前も連絡先も聞かない、それがルールだったが、とある女が気が付けばストーカーと化していた。そのことにしばらく気付かなかった俺は、何かがおかしいと違和感を感じつつも、その正体を掴めない状態が続いた。
そんなある日、当時同じ会社で働いていた同僚の女の子が突然会社をやめると言い出した。いきなりのことで全く理解できず、当然のごとく慰留した。
が、そんな俺に泣きながら彼女が放った一言は今でも深く心を抉ったまま強烈に残されている。
『 あんたのせいで私の人生狂わされたのよっ!! 』
言われた時は全くもって意味がわからなかったし、正直怒りすら覚えた。
だが、後にストーカー化した女によって何の関係もない彼女が酷い目に遭わされていたのだという事実を知ったとき…俺の中での何かが切れてしまった。
不必要に人を傷付けないためにしていたはずのことが、結果的にまた誰かを傷つけた。
しかも人生を狂わせてしまうほどに、深く。