蜜月なカノジョ(番外編追加)
カツン…
その時ふっと目の前に何かが立ち塞がった気配を感じた。
無視してそのまま目を閉じていたが、いつまでたっても一向にその場から立ち去る気配がないことに次第にイラッとし始め、仕方なく目を開けた。
そんな俺の視界にまず映ったのは薄いピンクのハンカチだ。それを握っているのは明らかに女性の手で、おそらく俺を心配して手を差し伸べてくれたのだろう。
だが正直ありがた迷惑だとしか思えなかった。
このまま無視してしまおうか___
そんなことを考えたところでふとあることに気付く。
目の前の手がカタカタと震えているということに。
「……?」
無視することも忘れて思わず顔を上げると、そこに立っていた女性は何故か俺から視線を逸らした状態でガタガタと震えていた。しかも顔面蒼白で、額には汗まで滲んでいる。
今の俺よりもよっぽど具合が悪いんじゃないかと思えるほどのその様子に、気が付けば俺はその場に立ち上がっていた。